さまざまな便秘の種類と原因
便秘は、大きく分類すると機能性便秘と器質性便秘に分けられます。
慢性便秘という単語を耳にすることもありますが、これは便秘の原因を分類する用語ではなく、便秘が常態化していることを表す言葉にすぎません。
慢性便秘の原因を調べてみると、機能性便秘であることが多いです。
機能性便秘とは、腸に異常はないが、なんらかの原因で機能が低下してしまうものです。
さらに機能性便秘は、弛緩性、痙攣性、直腸性、食事性に分類できます。
食事性便秘
食物繊維が不足、食事量の不足により腸の動きが悪くなっているものです。便の量が少なくなっていることも多いため、便意をもよおしにくくなっているのも一因です。
直腸性便秘
便意を繰り返し我慢することで、脳が便意を感じにくくなってしまうことが原因となって起きる便秘です。便が溜まってお腹は張っているのに、「便がしたい」という感覚がありません。すると、ますます便が腸に溜まり、硬さもどんどん増していき、排便しづらくなるという悪循環に陥ります。下剤などに頼り過ぎるのも良くなく、排便を習慣づけることが大切です。
弛緩性便秘
コロコロと硬い便で、お腹が張ります。運動不足、加齢、出産などが原因で腹筋力が低下し、便を押し出す力が弱くなることにより便秘となります。腸の蠕動運動が低下することから、便が長時間腸に留まるため、水分が必要以上に取られてしまい、結果として便が出にくくなってしまいます。
痙攣性便秘
精神的なストレスが大きな原因になることが多いです。過敏性腸症候群もこのタイプに含まれ、便秘と下痢を繰り返すこともあります。うさぎの糞のような小さな便が特徴です。
まれに慢性便秘化しているものに、器質性便秘が潜んでいることがあります。
この場合、市販の便秘薬や食生活を改善して良くなるものではなく、
病院で原因疾患の治療を受ける必要があります。